
元花屋。築46年。250万円。ちょっと、クセあり。——それでも、この物件が気になった人は、たぶん正解だ。
スペックだけ見たら、不動産サイトのフィルターで真っ先に弾かれる物件かもしれない。 築46年。建物の一部に傾きあり。駐車場は隣地で要交渉。——ちょっとクセありである。
でも、ちょっと待ってほしい。
ここは大洗町大貫。茨城屈指のサーフスポットがすぐそこにある海辺のまち。
大洗駅から歩いて9分。朝イチで波チェックに行ける距離に、「店舗付きの一軒家」が250万円で転がっている。
この情報を聞いて、頭の中に何かが浮かんだ人。 この記事は、あなたに届けるために書いています。
「住む」から頭を切り替えて、都心から1時間半のロケーションで、「いかに人生を遊び尽くすか」を考える
まず、1階の話をさせてほしい。
この物件、もともとは花屋さん。1階にはその店舗スペースがそのまま残っている。そしてここが重要なのだが、1階の店舗部分は傾きの影響がほぼなく、しっかり使える状態だ。

1階店舗区画。かつて花が並んでいたこの空間が、今はまるごと空っぽ。つまり、あなたの「やりたいこと」で埋めていい。残置物はオーナーさんの費用負担で撤去予定なので安心して欲しい。
用途地域は近隣商業地域。店舗利用は制度的にもOK。物件概要にも「事務所可(SOHO向け)」の記載あり。つまり、ここは「住む家」である前に、**「何かを仕掛ける場所」**として生まれたスペースなのだ。
店舗の奥には6畳2間続きの和室がある。

在庫置き場でも、休憩スペースでも、小さな客室にしてもいい。この「裏側」があるのとないのとでは、使い勝手がまるで違う。
2階は「あそびの拡張」フロア。
2階には広めのリビング、洋室、和室が2部屋、キッチン。面積だけ見れば、しっかりした住居スペースだ。ただし、ここは正直に書いておく。2階のリビングと1階奥の和室には、震災の影響もあり傾きが出ている。ビー玉は、まちがいなく走る。
だから、ここで「快適に暮らす」のはおすすめしない。

2階リビング。広さは十分。光もよく入る。でも住居としてはハードルが高い。倉庫や作業スペースとして考えると、この広さはむしろ贅沢だ。

別角度から。在庫のストック場所、資材置き場、DIYの実験場。「住む」を手放した瞬間に、この空間の可能性はぐっと広がる。

2階の洋室。大容量の収納つき。シーズンオフのウェットスーツやギアをしまっておくのに最高の場所だ。

2階和室。畳の上に資材を広げるも良し。イベント前の準備部屋にするも良し。民泊の客室にするもよし。

もうひとつの和室。部屋数の多さが、この物件の隠れた武器。用途ごとに部屋を分けられるのは、小規模な事業をやる上で地味に効く。ゲストハウスのドミトリーにもいいかも。
1階に戻って水回り。

システムキッチンあり。スタッフやゲストのためのちょっとした調理スペースとして、あると助かる場面は多い。

脱衣所。シンプルだが、機能的には問題なし。反対側には収納スペースも。

浴室。一時利用なら十分なスペックだ。

トイレは1階、2階にひとつずつ。
3台は余裕で停められる隣地駐車場。隣地オーナーに交渉も可能である。
250万円で「自分の人生を楽しみ尽くす実験」を始める。
たとえば、こんな使い方。
① サーファーズ・ベースキャンプ
大貫のビーチまですぐ。朝、波を当てて、ウェットのまま帰ってきて、1階の浴室でシャワーを浴びる。浴室を更衣室&シャワールームとして使うのはどうだろう。仲間が集まるサーフクラブの拠点。ボードラックを並べて、ワックスの匂いが漂う溜まり場。そういう場所、大洗にはまだ足りていない。
1階の浴室は追焚機能付き。サーフィン帰りのシャワー&更衣室としてのポテンシャルは十分。この飾り気のなさが、むしろちょうどいい。
② ポップアップ・ショップの実験場
週末だけ開くヴィンテージショップ。月イチのクラフトマーケット。アウトドアギアのセレクトショップ。大洗は夏の海水浴シーズンだけじゃない。アクアワールド、大洗磯前神社、キャンプ場——年間を通じて人が動くまちだ。1階の店舗で「小商い」を試して、2階を在庫倉庫にする。この建物の構造が、そのままハマる。
③ アーティストのアトリエ+ギャラリー
1階で作品を作り、そのまま展示・販売する。店舗スペースは、キャンバスを広げるにも、陶芸の作業台を置くにも悪くない広さ。週末だけオープンギャラリーにして、「大洗のまちなかにある、海風の通るアトリエ」。それだけで、わざわざ訪れる理由になる。
④ サーファー向けミニ宿(民泊)
1階の和室2間を客室にして、小規模な民泊を回す。大貫のポイントに近い宿は意外と選択肢が少ない。ボードを置けるスペースと、塩を落とせるシャワーがある宿。それだけで波乗り好きには刺さるはずだ。2階は運営側のストックスペースに。
もちろん、①〜④のどれかひとつに絞る必要はない。平日はアトリエ、週末は店舗、夏の間は民泊——そういうハイブリッドな運用こそ、この物件の本領だと思っている。
敷地内に駐車場はないが、隣地に交渉可能な駐車場がある。車社会の茨城では確認必須のポイントだ。
ガスはプロパンで、都市ガスより少しコストが高くなるのも織り込んでおきたい。

隣地の駐車場。所有者が別なので利用には交渉が必要。早めに確認しておくのが吉。
それでも、250万円である。 都内のワンルームの敷金礼金、引っ越し代、家具家電を揃える費用を合わせたら、軽く超えるかもしれない金額で、店舗付きの一軒家が手に入る。もちろんリフォーム費用は別途かかるだろう。でも、「大洗で何か始めたい」のファーストステップとしては、これ以上ないくらい現実的な選択肢だと思う。
完璧な物件ではない。むしろ、ツッコミどころは満載だ。 でも、「完璧じゃないから安い」し、「完璧じゃないから自由」だ。
この建物に残っているのは、花屋さんの記憶と、たっぷりの余白。 その余白に、何を詰め込むかはあなた次第。
さあ、どうする?
リノベーションのご相談も
リノベーションのご相談や小規模な工事のご相談も、ぜひCoelacanthにお任せください。「こういうことがしたいんだけど、この建物でできる?」——そんな段階からの相談、大歓迎です。事業計画から空間づくりまで、ワンストップで伴走します。

間取り図。1階に店舗+和室+キッチン+洗面所+浴室、2階に洋室+和室。住居ではなく「拠点」として見ると、この部屋数の多さが活きてくる。
さあ、あなたなら、どうあそび尽くす?
記事公開日: 2026年3月18日